article-detail-page
knowledge
close
language

患者およびスタッフ向け糖尿病網膜症に関する重要な事実[インフォグラフィック]

全世界の約 4 億 6,300 万人が糖尿病を患っています。1 そうした 1 型糖尿病および 2 型糖尿病の患者のうち 80% は、最終的に何らかの段階の糖尿病網膜症を発症します。2 糖尿病を患う期間が長いほど、糖尿病網膜症を発症する可能性は高まります。

糖尿病網膜症とは

糖尿病網膜症は、視力障害や失明を引き起こす可能性のある糖尿病の合併症です。高血糖値が網膜内の微小血管を傷つけ、漏出や出血を引き起こすことで発生し、重度まで進行すると最終的に視界のゆがみをもたらします。

糖尿病黄斑浮腫(DME)は、黄斑に液体が溜まっている状態です。DME は糖尿病網膜症の結果として発生し、糖尿病網膜症に関連する視力障害の原因のうち約 50% を占めています。3

初期症状はない

通常、糖尿病網膜症の初期段階では症状が見られないため、視力に影響が及ぶまで進行が見逃されてしまいます。症状が現れる時点になると、治療を受けても視力喪失を回避できない可能性があります。糖尿病網膜症の進行期を示す症状には、以下のようなものがあります。

  • 視界が不鮮明になる
  • 光の周囲に輪が見える
  • 視界の中央および色が見えなくなる
  • 飛蚊症

早期検出が重要です

糖尿病患者の一般的な標準治療法は、眼科医または視能訓練士による年 1 回の糖尿病網膜症検査を受けることです。しかし残念ながら、眼科医を受診して年 1 回の網膜検査を受けている糖尿病患者は、全体の約半数にすぎません。4、5 検査率を上げるため、プライマリケア環境で糖尿病網膜症検査を実施できるようにする新しい技術が開発されました。

遠隔網膜イメージング検査を使用すれば、糖尿病患者は定期的な受診の際に糖尿病網膜症検査を受けることができます。患者の網膜の画像を眼底カメラによって撮影し、離れた場所にいる眼科医や視能訓練士がその画像を確認します。一部のケアデリバリモデルでは、早くて 1 日程度で検査結果を患者に知らせることができます。その結果、糖尿病網膜症検査の検査率を 1 年以内に最大 90% まで引き上げることが可能です。6

あなたにできること

失明症例の 95% は、早期検出と治療により予防が可能です。3 糖尿病患者が以下を実践することで、病期の管理につながります。3、7

  • 処方薬の服用
  • 禁煙
  • 血圧とコレステロールの管理
  • 健康的な食生活
  • 定期的な運動
  • 健康体重の維持
  • 年 1 回の総合的眼科検査の受診

糖尿病患者は、常に医師の治療計画に従うことが重要です。

患者やスタッフの教育を支援するために、糖尿病網膜症の早期診断がいかに重要かを説明した有用なインフォグラフィックを作成しました。

糖尿病網膜症のインフォグラフィック

リファレンス

  1. IDF Diabetes Atlas, Ninth Edition 2019. www.idf.org
  2. 糖尿病の期間は、糖尿病網膜症の進行に関連する主要な要因です。5 年後には 1 型糖尿病患者の約 25% が網膜症となり、15 年後には 80% にまで増加します。2 型糖尿病患者の場合、19 年後に網膜症を発症する危険性は、インスリンを投与した場合は 84%、インスリンを投与しなかった場合は 53% となります。 Diabetic Retinopathy Preferred Practice Pattern® from the American Academy of Ophthalmology, http://dx.doi.org/10.1016/j.ophtha.2019.09.025, ISSN 0161-6420/19. Accessed July 29, 2020.
  3. National Eye Institute, Facts about Diabetic Eye Disease. https://nei.nih.gov/health/diabetic/retinopathy
  4. Monitoring Visual Status: Why Patients Do or Do Not Comply with Practice Guidelines; Frank A. Sloan, Derek S. Brown, Emily Streyer Carlisle, Gabriel A. Picone, and Paul P. Lee; HSR: Health Services Research 39:5 (October 2004)
  5. Centers for Disease Control and Prevention. Diabetes Report Card 2017. Atlanta, GA: Centers for Disease Control and Prevention, US Dept of Health and Human Services; 2018.
  6. Comparing the Effectiveness of Telemedicine and Traditional Surveillance in Providing Diabetic Retinopathy Screening Examinations: A Randomized Controlled Trial; Mansberger et al, Telemedicine and e-Health, Vol. 19 No. 12, Dec. 2013.
  7. American Academy of Ophthalmology. Top Five Steps to Help Prevent Diabetic Eye Diseases. https://www.aao.org/eye-health/tips-prevention/top-five-diabetes-steps。 Accessed October 4, 2018.