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Linley のストーリー:糖尿病患者にとって眼科健診が重要な理由

糖尿病と診断されたとき、それを受け入れるのは難しいものです。最初の重要なステップは、2 種類の糖尿病の違いを理解することです。1 型はインスリン依存性糖尿病とも呼ばれます。2 型は、身体が十分なインスリンを生成できない場合やインスリンに抵抗を示す場合に発生します。

1 型糖尿病の正確な原因は不明ですが、身体の免疫系が大きな役割を果たします。2 型糖尿病は糖尿病患者の約 95% を占めており、遺伝的要因、および過剰体重や運動不足といった生活習慣的要因によって発生します。

現在、4 億 1,500 万人の成人が糖尿病を抱えており、生活を一変させる合併症のリスクにさらされています。その 1 つが糖尿病網膜症による視力低下です。1 糖尿病網膜症は糖尿病患者の視力低下の最も一般的な原因であり、就業年齢の成人の失明の最も一般的な原因となっています。2

糖尿病の蔓延に対処するためには、糖尿病を適切に管理することの重要性についての教育、啓蒙、意識向上を継続していくことが重要です。特に、眼科検診を毎年受けることが重要です。

Linley Champion は 8 歳のときに 1 型糖尿病と診断され、25 歳で糖尿病網膜症と診断されました。彼女は現在、夫の Jonathan、息子の Connor とともに、ペンシルベニア州マウント・プレザント・ミルズに住んでいます。2015 年の定期的な糖尿病眼科検診で、進行したステージの網膜症を眼科医が発見するまで、彼女はずっと、眼球も網膜も良好な状態にあると言われてきました。Linley は次のように語っています。「私がかかってきた医師たちは、眼だけを見る限り、糖尿病であることさえまったくわからなかったと言っていました。それが突然、部分的網膜剥離を伴う増殖性網膜症と診断されたのです。」

糖尿病による高血糖値は、時間をかけて徐々に、網膜と呼ばれる眼球後方の組織内の毛細血管に影響を与えます。糖尿病網膜症は次のように分類されます。3

  • 非増殖性糖尿病網膜症:網膜内の血管に漏出や腫れが発生します。
  • 増殖性糖尿病網膜症:網膜の新しい血管が増殖し、漏出や出血が発生する場合もあります。硝子体出血は、眼球の中心を占める、硝子体ゲルと呼ばれる粘度の高い液体への出血です。硝子体ゲルに血液が混じると、網膜に光が届かなくなる可能性があります。出血が重度の場合、一部の患者は視力低下に見舞われることがあります。
  • 末期糖尿病網膜症:著しい視力低下や失明、網膜剥離が発生する場合があります。

彼女はずっと、眼鏡の度数を更新する必要があること以外に視力の変化を示す自覚症状はありませんでした。Linley は次のように語っています。「幸い、糖尿病網膜症の診断を受けた後も、治療を受ける必要はありませんでした。出血を防ぐため両方の目にレーザー治療を受け始めたのは、2018 年 7 月 6 日のことです。」

 

Linley は、硝子体出血により血液が混じったときに一時的に視力低下を経験することがあります。彼女は出血を治療するため、湿性加齢性黄斑変性症(AMD)の治療に使用される薬剤である Avastin® の注射を受けています。4 この薬剤は糖尿病性眼疾患の治療にも使用され、眼球後部の異常な血管の増殖を阻害します。しかし、効果が長期的に続くとは限りません。最近になって Linley は複数回の注射では解消しない硝子体出血を治療するため、右目の手術を受けることになりました。

Linley の視力は 20/1600 でしたが、手術後 1 週間で視力は 20/70 に改善しました。手術から 1 ヵ月後には 20 / 30 に改善されましたが、現在は白内障を発症しています。そのうえ、左目は網膜剥離を伴う増殖性糖尿病網膜症です。彼女の眼科医は、出血や瘢痕を防ぐために予防的レーザー療法に取り組んでいますが、網膜で瘢痕が続く場合は、硝子体切除が必要になります。Linley は幸運にも必要なケアを受けられていますが、それがなければ今ごろは失明していたかもしれません。

プライマリケアにおける早期検出の提唱者

Linley は毎年の糖尿病眼科検診を積極的に受けていましたが、ほとんどの人は年に 1 回の眼科検診に熱心でないことを知っています。Linley は次のように語っています。「一般の人は目の健康を甘くみていて、眼科に行くのを恐れていると思います。」彼女は次のように続けます。「一般の人、特に糖尿病患者が、網膜症のリスクと視力に与える悪影響について教育を受ければ、今よりも積極的に目の健康と視力を守ろうとするのではないでしょうか。」

Linley は、ペンシルベニア州ミフリンバーグで医療助手としてフルタイムで働いており、一般市民の教育に当たる機会を得ています。彼女は医療助手としてさまざまな健康状態の患者を支援しており、その 1 つが糖尿病管理です。数ヵ月前、Linley が働いている診療所に Hillrom™ Welch Allyn® RetinaVue® ケアデリバリーモデルが導入され、プライマリケアでの糖尿病網膜症検査が可能となりました。Linley は次のように述べています。「瞳孔拡大を必要としない網膜カメラの技術をプライマリ診療所に導入することは、患者の健康を大きく前進させるものだと思います。」

Linley は、糖尿病網膜症を抱えて生きる一人として、RetinaVue ケアデリバリーモデルの導入が診療にとって非常に重要な資産になると考えています。Linley は次のように述べています。「プライマリケアの医師の診療所で糖尿病眼科検診が行えることは非常に重要だと考えています。」彼女は次のように続けます。「プライマリ診療所には、患者はたまにしか来ず、専門医の診察や瞳孔拡大を拒むこともあります。定期的な通院時に 15 分という時間枠で患者の目の健康状態をチェックできるなんて、本当に素晴らしいことです。」

他の糖尿病患者への助言として、Linley は次のように述べています。「眼科検診を積極的に受けてください。検査を受けるのは怖いことですし、好んで検査を受ける人はいませんが、怖いからといって視力を失っては元も子もないと思いませんか?」

リファレンス

1. National Eye Institute. Eye Disease Statistics. March 2014. https://nei.nih.gov/sites/default/files/nei-pdfs/NEI_Eye_Disease_Statistics_Factsheet_2014_V10.pdf Accessed June 29, 2019.

2. Centers for Disease Control and Prevention. VHI. 2015. www.cdc.gov/visionhealth/basics/ced/. Accessed March 1, 2017.

3. Torpy, J. M., MD, & Glass, R. M., MD. (2009, August 22). Retinopathy. Retrieved June 1, 2019, from https://jamanetwork.com/journals/jama/fullarticle/208559

4. American Academy of Ophthalmology. What is Avastin? Feb 2019. https://www.aao.org/eye-health/drugs/avastin Accessed July 1, 2019.